コインの話

私たちが日常的に使用している硬貨(コイン)は丸い形をしたものです。そもそも硬貨はなぜ丸い形をしているのでしょうか。

丸い形の理由

日本では明治時代以降、硬貨は全て円形で統一されました。
これは、外国からの強い要請を受け、純正画一の新式貨幣の鋳造に取りかかった際に

①四角型(方形)に比べ使用するときに便利
②角がないので摩擦が少ない
③大量生産する上で好都合

といった理由から、硬貨を円形とする方針を定めたことによるものです。

また、第8代・第17代内閣総理大臣の大隈重信が「親指と人差し指で丸を作れば、子供でもお金であることがわかるのだから、新通貨単位は円がよい」と主張したことが理由であるとする俗説もあります。

しかし、明治時代以前、硬貨はすべて円形ではありませんでした。

色んな形のコイン

明治政府が新式貨幣の鋳造に取りかかった際、「わが国では金銀貨幣を紙に包んで四角い箱に収めているから、硬貨は四角型が良い」という意見が出ました。江戸時代に使われていた硬貨の中には長方形(1分銀)や小判型(1両)など円以外の形をした硬貨もあり、四角型の硬貨は特に珍しいものでもありませんでした。
また、インドでは紀元前2世紀頃から円以外の形の硬貨が発行されており、現在も四角型の硬貨(5パイサ/10銭程度)や十一角形の硬貨(2ルピー/3円程度)が使われています。

コインの歴史

そんな硬貨の歴史をさかのぼってみると、中国の貝の貨幣にたどり着きます。
貝の貨幣は、貨幣の根本になった物として有名です。貝は保存に長けており、運搬にも便利だったため貨幣として適当でした。
また、貝は単独でも装飾品としての価値がありました。貝の他にも、石や骨なども同様な理由で貨幣として使われていました。

その後、塩・胡椒などが貨幣の役割をはたすようになりました。
当時、塩・胡椒は高価で貴重な物だった為です。古代ローマでは兵士の給料を塩で払っていた時代があったり、古代ギリシア人が奴隷を買う際には奴隷と同じ重さの塩と奴隷を交換したというエピソードが残っております。
しかし、経済が発展するにつれて貝や塩は貨幣として使われることがなくなり、代わりに金・銀・銅などで作られた金属貨幣が流通するようになりました。

硬貨は社会経済が成長する上で重要な役割を果たしてきただけでなく、その時代の人々の生活に沿うような形で変化し、広く親しまれてきました。


20代。Web制作担当。筆記用具や革製品などに印刷・彫刻を施す職人。 趣味は音楽鑑賞とお風呂屋さん巡り。