ゲーム製作のキッカケとWeatherReporについて

こんにちは。Megです。

今日は私がアナログゲームを作ろうと思ったキッカケや「WeatherReport~でたらめお天気予報~」の製作秘話について、少しお話ししたいと思います。

以前、私は職人として、レーザー加工機やスピンドル彫刻機を使った彫刻、UV印刷機を使った特殊印刷、ゴム焼きなどを行なっていました。そこでの貯金を使って、かねてからの夢だったソーシャルワーカーになるべく会社を退職。資格取得のために再進学をして現在に至ります。

人生二度目の学生になってからは、特別養護老人ホームでCWとして働きながら、福祉に関する勉強をしております。

そんな私がアナログゲームに興味を持つキッカケとなったのは、学内で活動していた「パズルサークル」との出会いでした。

このサークルでは「遊びを通じた生涯学習・生涯発達」についての研究を行なっており、その一環として、メンバーが製作したパズルをデイサービスセンターや特別養護老人ホームに持ち込み、レクリエーションを行うというボランティア活動を行なっておりました。すぐに興味を持った私はこのサークルで1年間、同志達と共にパズルの作成や研究に取り組みました。

そこでの活動内容や事例を「介護レクに役立つパズル」としてまとめ、池田書店から出版させて頂いたこともありました。

先輩方の卒業を期に研究対象がパズルからアナログゲームへと広がりましたが、現在もサークルに所属しながら研究を続けております。

そんな私が初めて作ったアナログゲームが「WeatherReport~でたらめお天気予報~」です。

このゲームの学術的なテーマは「クローズドクエスチョンを用いたゲームによるコミュニケーション技術の発達と社交性の向上」です。

会話を用いたコミュニケーション技術のひとつに、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンというものがあります。

例えば、オープンクエスチョンは「答えが幾つも期待できる質問」のこと。具体的には「どんなご飯が好きですか?」など、質問された相手が自由に回答することが出来るので会話が広がります。

それに対してクローズドクエスチョンは「答えが限定された質問」のこと。「ご飯とパン、どちらが好きですか?」「今、白いシャツを着ていますか?」など、どちら一方の回答が必要とされる質問、または、YesかNoで答える質問のことを指します。

クローズドクエスチョンの特徴は、質問する側が会話の内容をコントロールすることが出来る点。また、オープンクエスチョンと比べて会話の内容をより明確にすることが出来るので、話をまとめる時に意識して使用するとよいとされています。

更に、クローズドクエスチョンは、初対面の方と会話する時に役立ちます。初対面で何を話していいのか分からない時などは、敢えてYesを導くような質問をすることで、意図的に好印象を与えることが出来るのです。

ただし、クローズドクエスチョンを連続して使うと、尋問されているような雰囲気になってしまったり、そこから先の会話が広がらなくなってしまうので、二つの技法をバランスよく使うことが重要です。

「WeatherReport~でたらめお天気予報~」の中で、クローズドクエスチョンに限定したルールを設定したのには理由があります。

ひとつは、アナログゲームに親しみのない方や認知の低い方、言葉でのコミュニケーションが苦手な方にも楽しんでいただけるようなゲームを作りたかったということ。

神様役は質問に対して「YesかNoで答えるだけ」という目的を明確にすることで、ゲーム全体のルールを理解できなくても、気軽に、ゲームに参加できるようにゆとりを作りました。更に、クローズドクエスチョンでのやり取りは相手から素早く答えを得ることができるので、短時間でテンポよくゲームを進めることが出来ます。

また、その他のルールにおいて、質問回数や天気を設定する日数を変更することで難易度の変更をしやすくしたのにも狙いがありました。

それは、プレイヤーの認知に合わせて段階的に難易度が変更できることにより、受け身(神様役)になるだけでなく、自ら進んでゲームに参加する経験が出来るようになるということです。

コンポーネントに関しては、木のぬくもりやマグネットが鉄板に張り付く感触など、感覚器官を刺激する点を意識しました。

特にお天気ピースは手で触れるものなので、ピースや塗料が口に入ってしまった場合や、環境にも配慮して素材の選定をおこなっております。

材質についてはゲームの得点を数えるためのアイテム「WoodCoin」のページも参照していただけましたら幸いです。

装飾について注意した点は、無駄を極限まで省くことでした。これは、ゲームを通じたコミュニケーションに集中して頂くためです。

アナログゲームを用いた遊びでは、参加者ひとりひとりの発する言葉や表情、考えている時の時間の長さなどから、相手が何を考え、どう行動するかを予測しながら関わることが要求されます。

また、その中でのやり取りが人と人の距離を近づけ、社交性の向上に繋がり、こころを豊かにする効果があると考えております。

お天気推理ゲーム 【Weather Report】~でたらめお天気予報~|ゲーム製作のキッカケ

ここまで長々と語ってしまいましたが、「WeatherReport~でたらめお天気予報~」をコミュニケーションツールの一つとして、楽しく遊んでいただけたら嬉しいです。

初めて一緒に遊ぶ方と。友達と。恋人と。家族と。ちびっ子達と。お年寄りと。外国の友人と。言語的なハンディがある方とも一緒に。

このゲームが貴方と誰かを繋ぐキッカケになれたら、これ以上の喜びはありません。


20代。Web制作担当。筆記用具や革製品などに印刷・彫刻を施す職人。 趣味は音楽鑑賞とお風呂屋さん巡り。